以下の写真中、農薬を一切使用していないのが、左の水田で、農薬を使った慣行栽培の水田が右の方です。当組合に参加した各農家は、低コスト・高収量・高品質かつ安全で安心な『循環型農業』を永年に渡り実践して参りました。その方法は、畜糞尿や有機性汚泥を極短時間で消臭・発酵させ肥料成分(ATP)を多量に残存させた堆肥やボカシ肥を用いることで、『良い土づくり』を慣行栽培の指導基準よりも遥かに安価に行うことで実現して参りました。
上記向かって左側の水田が農薬を一切使用していない循環型農法、向かって右側が農薬を使った慣行農法での水田です。循環型農法では草も生えず、水稲がイキイキと育っています。一方、農薬を使用した慣行農法の水田では、草があふれ、稲がどこにあるかもわからない程です。ちなみに周囲の水田は既に循環型農法の水田で、この1枚だけ慣行農法で栽培した画像になります。
令和2年に、『藍草』の試験栽培を中山間地に在る30坪の耕作放棄地で行いました。翌令和3年に『藍草』は特にたくさんの肥料を要求する農作物であることを、5枚(約1,200坪)の農地で確認しました。それは当組合の各農家が実践してきた私達の農法「循環型農法」との相性が大変良かったという事実でした。そして更に、この農薬不使用・化学肥料不使用・除草剤不使用の『久留米藍』から作った『藍の染料』は、当地の伝統工芸品である久留米絣の織元さんによって、無事染まることも確認できました。
以上の二つの大きな成果に基づき、5軒の参加農家と共に、組合を設立。日本に於ける『藍』の染料は、日本特有の『タデ藍』と呼ばれる藍草を栽培し、収穫後に乾燥、その後、茎を取り除き、葉のみを選別し発酵させて作ります。江戸時代より、藍染が広く普及し、人々が藍で染められた着物を揃ってきていたところから、日本を訪れた外国人が付けた名称『ジャパンブルー』は、令和3年に開催された東京オリンピックのシンボルロゴマークの色に使われたのは記憶に新しい処です。
ここ久留米には、1800年頃に独特の織物が発明され、以後約200年以上続き、重要無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されている『久留米絣』が在ります。当組合の最初の目的は、この『久留米絣』に欠かせない天然染料を創ることです。令和3年は、組合員農家合わせて約40アールの『久留米藍』を栽培し、『久留米藍(染料)』を試行錯誤の末、工業的に大量生産する方法と方策が見つかりました。令和4年からは、本格的に『久留米藍』の栽培を行い、『久留米藍(染料)』の生産を行って参ります。
農業の新しい技術を用いて、未来につながる安全・安心な新しい産業農業に挑戦して参ります。